がんの診断について

がん診断のさまざまな技術

日本のがんによる死亡者数は年間35万人を超えて、長らく死亡原因の第1位を占め続けています。しかし診断技術や治療技術の進歩が進み、早期発見、早期治療ができるがんもあります。
また、検査や診断の精度も向上しており、研究機関や医療施設によるがんの死亡率減少への努力が続いています。また、がんの再発防止に向けた診断も行われています。

がんの診断には、放射線を使ったX線やCT、磁気を使ったMRI検査、薬剤を用いて異常を見るPET-CT検査などがあります。

がん診断のさまざまな技術

がんと画像診断、画像診断装置

いずれの装置でも、がんの病巣を調べたり、腫瘍の場所・サイズ・悪性の区別などを可視化して映像として確認できることから、これらのがん診断装置は画像診断装置と呼ばれています。

がんの治療について

●がん治療の種類

がん治療には、手術(外科治療)、薬物療法(抗がん剤治療)、放射線治療の三大治療のほかに、温熱療法や免疫療法、代替療法などがあり、それぞれの治療の特徴を生かしてうまく組み合わせることが大切です。

●手術(外科療法)
外科療法は古くから行われてきた代表的ながん治療で、がんを物理的に取り除く手術を行って治療します。手術後には経過を見ながら抗がん剤による治療を行う場合があります。
●放射線治療
放射線治療では、放射線治療装置を使ってがん細胞に放射線を当てて、がん細胞を死に至らしめます。したがって、臓器や臓器の一部を取り除かずに治療することができます。近年ではロボット技術や画像解析技術などが進歩しており、ピンポイントで放射線を照射することによって正常な細胞にダメージをなるべく与えずに治療ができるようになってきています。
一方、粒子線治療は、水素や炭素の原子核といったミクロの粒子を利用した放射線で、一番軽い元素である水素を用いる場合は陽子線治療、それよりも重い粒子を用いる場合は重粒子線治療と呼ばれる放射線治療があります。
●薬物療法(抗がん剤治療)
薬物療法は、抗がん剤を使ったがんの治療法で、化学療法とも呼ばれます。抗がん剤をはじめとして、ホルモン剤や免疫力を高める免疫賦活剤などを使う化学療法があり、鎮痛剤や症状を緩和するための薬を使った治療もあります。
●温熱療法

温熱療法(ハイパーサミア)は、温熱療法装置を使ってがん細胞を加熱して、がん細胞を死滅させたり、がん細胞の活動を停めたりする治療法です。温熱療法では、電磁波を使ってがん細胞を選択的に死滅させます。近年では免疫療法とともに第4の治療法として注目されています。

  • 代替医療に東洋医学の温熱療法というものもありますが、ハイパーサミアとはまったくの別ものなので注意が必要です
●免疫療法
免疫療法は、免疫の力を回復させることによってがんを治療する方法です。人間が本来持っている免疫によって、がん細胞を排除する方法で、研究が進められています。

術後のケアについて

●がん手術とリハビリテーション

がん治療では、がんそのものによる障害と、がん治療の過程で生じる障害があります。
がんそのものによる障害では、骨への転移による痛みや骨折、脳腫瘍による手足の麻痺や言語障害などがあります。

がん治療の過程で生じる障害は、薬物療法や放射線治療による体力低下や筋力低下、手術後の各部の機能障害や運動障害などがあり、これらにはリハビリテーションが必要です。
また、治療を通じて、リンパ浮腫というむくみが発生する病気があります。

●がん治療環境の現状と弊社の取り組み

がんの診断や治療の進歩によってがんの治療成績が年々向上してきている現在、患者様が家庭や社会に復帰し、その生活の質(QOL)を支援していくリハビテーションはますます重要となってきています。
がんの治療後に発症することの多いリンパ浮腫というむくみの病気がありますが、九州メディカルサービスは、圧迫療法やスキンケア等を通じて患者様のQOL向上に貢献していきたいと考えています。